筋肉を守る食事
たんぱく質は一日何グラム必要?30〜60代の目安と食事例
30〜60代が筋肉を保つために必要なたんぱく質の目安と、無理なく続けられる食事例をやさしく解説します。
公開日:2026年6月17日
最近、なんだか疲れやすい。階段の上りがきつい。食事の量が前より減ってきた——。30〜60代になると、こうしたからだの変化を感じる方は少なくありません。
その背景の一つに、筋肉の量や働きの変化があります。たんぱく質は、筋肉を大きくするためだけの栄養素ではありません。立つ・歩く・支えるといった、毎日の動きを続けるための、筋肉の材料となる栄養素です。
この記事では、健康な一般成人を対象に、一日のたんぱく質の目安と、無理なく食事から摂るための考え方をやさしく整理します。なお、ここで紹介する目安には個人差があります。持病がある方、特に腎臓病などで食事制限を受けている方は、自己判断せず医師に相談してください。
たんぱく質は一日何グラム必要?
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、たんぱく質の一日の推奨量が、年齢や性別ごとに示されています。30〜60代を中心に整理すると、おおよそ次のとおりです。
| 年齢区分 | 男性 推奨量(g/日) | 女性 推奨量(g/日) |
|---|---|---|
| 30〜49歳 | 65 | 50 |
| 50〜64歳 | 65 | 50 |
| 65〜74歳 | 60 | 50 |
これらは健康な一般成人の目安であり、個人差があります。体格や活動量、体調によって、必要な量は変わります。
持病がある方、特に腎臓病などで食事制限を受けている方は、自己判断でたんぱく質を増やさず、医師に相談してください。
目標量(%エネルギー)とは?
推奨量(g/日)とあわせて、食事摂取基準では「目標量」も示されています。これは、一日に摂るエネルギー全体のうち、たんぱく質からとる割合の目安です。
| 年齢区分 | 目標量(%エネルギー) |
|---|---|
| 30〜49歳 | 13〜20 |
| 50〜64歳 | 14〜20 |
| 65〜74歳 | 15〜20 |
数字を細かく計算する必要はありません。毎食、主食・主菜・副菜をそろえて、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などを一品取り入れると、自然とこの範囲に近づきやすくなります。「割合の目安がある」くらいの受け止めで十分です。
体重あたりで考えると?
「自分の体格だとどのくらい?」という見方をしたいときの、補助的な考え方も紹介します。
食事摂取基準では、成人が筋肉などの体たんぱく質を維持するために必要な量の考え方として、日常の食事に含まれる混合たんぱく質の利用効率を90%と見積もり、体重1kgあたり0.73g/日という値が示されています。
これはあくまで考え方の一例です。記事の基本となる目安は、前述の年齢・性別別の g/日(30〜64歳で男性65g・女性50gなど)です。体重あたりの数字は参考程度に、こちらも健康な方の目安・個人差ありとしてとらえてください。
なぜ30〜60代でたんぱく質を意識したいのか
年齢を重ねると、筋肉量や活動量、食事量が少しずつ変わっていきます。動くのがおっくうになったり、疲れやすさを感じたりする背景に、こうした変化が関わることがあります。
加齢などにともなって筋肉量・筋力・身体機能が低下した状態は「サルコペニア」と呼ばれます。サルコペニアには、栄養不良や活動不足との関わりが指摘されており、たんぱく質を含む食事は、筋肉の維持を支える観点から大切とされています。
食事だけで将来の状態を決められるわけではありませんが、毎日の食事を見直すことは、動き続けるからだづくりに役立つ可能性があります。今からでも始められる工夫として、たんぱく質を意識してみる価値はあります。
食事でどう摂る?1日3食で考える
一度にまとめてではなく、1日3食を基本に、たんぱく質を含む食品を取り入れるのが、無理のない考え方です。
一般的な食品の例としては、次のようなものがあります。
- 卵
- 魚
- 肉
- 大豆製品(豆腐・納豆など)
- 乳製品(牛乳・ヨーグルトなど)
朝・昼・夕の組み立て
朝食は、パンやごはんだけで済ませてたんぱく質が不足しがちです。卵や乳製品、納豆などを一品加えると、無理なく整いやすくなります。昼・夕も、主菜にたんぱく質を含む食品を一品置くことを意識すると、一日を通してバランスがとりやすくなります。
食事量が減ってきた・食が細い方へ
食が細くなってきた場合は、一度に多く食べようとせず、無理なく、数回に分けて取り入れるのも一つの方法です。間食に乳製品や豆乳などを足すのも続けやすい工夫です。
なお、この記事は特定の商品やサプリメントをすすめるものではありません。まずは毎日の食事から見直すことが大切です。
摂りすぎや注意が必要な人
たんぱく質は、量だけを増やせばよいというものではありません。総量を多くとれば筋肉量が同じだけ増えていく、というものでもなく、身体活動量に応じた摂取が大切と考えられています。
腎臓病などで食事制限を受けている方は、自己判断でたんぱく質を増やさず、医師や管理栄養士に相談してください。
この記事では、特定の病気に対する食事の指示や、制限量の具体的な数値は扱いません。体調や持病に不安がある方は、専門家にご相談ください。
運動と組み合わせると考えやすい
食事だけ、運動だけ、と切り分けるよりも、運動と食事を組み合わせて考えると、動き続けるからだづくりを支えやすくなります。体を動かす量によって、必要な栄養の考え方も変わってきます。
たんぱく質だけでからだが変わるわけではありませんが、無理のない運動と、たんぱく質を含む食事を続けることは、からだづくりを支える可能性があります。
運動を始めたい・続けたいと感じている方は、専門家のいる場(からだフィットなど)を活用するのも、続けるための一つの方法です。
まとめ
最後に、一日のたんぱく質の目安をふり返ります。
- 30〜64歳:男性 65g/日、女性 50g/日
- 65〜74歳:男性 60g/日、女性 50g/日
- いずれも健康な一般成人の目安で、個人差があります
たんぱく質は、筋肉の維持を支え、動き続けるからだを支える栄養素です。まずは1日3食の中で、少し意識してみることから始めてみましょう。
自分はどれくらい必要?足りている? 「たんぱく質セルフチェック」で、あなたの目安を確認できます。続きや新しい記事は、LINEでお届けします。
参考にした情報
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書(https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316462.pdf )
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「サルコペニア」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「高齢者の低栄養予防」
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
※この記事は、一般的な健康情報の提供を目的としたものであり、診断・治療を行うものではありません。効果や感じ方には個人差があります。持病がある方、特に腎臓病などで食事制限を受けている方は、自己判断せず医師にご相談ください。気になる症状があるときも、医療機関や専門家にご相談ください。